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特注ファスナーの依頼元

業界別の特殊ファスナー: 部品、強度区分、書類

業界ごとに、発注する特殊品の組合せ、数量、添付する書類が異なります。その組合せが製造ルートを決め、ルートが見積りを出せるメーカーを決めます。

以下の部品、強度区分、数量は各分野で一般的なもので、過去の受注実績の一覧ではありません。

7つの分野を並べて比較

ご自身の分野を探し、最後の列をご確認ください。数量や強度区分が一般的なパターンから外れる場合は、ルートが変わるため、見積依頼にお書きください。

表を横にスワイプすると、すべての列を確認できます。

業界代表的な特殊部品代表的な強度区分と表面処理代表的な数量通常のルート
機械・装置段付きボルト、特殊長さの六角穴付きボルト、スタッド、アイボルト、ガード用の脱落防止ねじ強度区分8.8と10.9、12.9の六角穴付き製品、A2-70品番ごとに数百個から数千個、品番数は多い切削素材と転造ねじ。設計が長年続く場合は圧造
自動車・EVフランジボルト、溶接スタッド、ホイールボルト、バッテリーとバスバー用ファスナー、セムスねじ強度区分8.8から10.9、ジンクフレークまたは亜鉛ニッケル、一部アルミと銅年間数万個から数百万個多ステーション圧造機による冷間圧造
建設・構造アンカーボルト、長尺スタッド、六角重量ボルト、全ねじ棒、トルシア形高力ボルトASTM F1554、強度区分8.8と10.9、溶融亜鉛めっきプロジェクト単位で数百個から数万個熱間鍛造、棒材へのねじ転造、アンカー形状の曲げ加工
電子機器・筐体マイクロねじ、スタンドオフ、パネル用脱落防止ねじ、樹脂用のタッピンねじ表面硬化した鋼、A2ステンレス、真ちゅう小径は大量。M1からM4が多い小型圧造機とスイス型旋盤加工
エネルギー・太陽光架台レールクランプ、Tボルト、ハンマーヘッドボルト、フランジナット、タワーとタービンのスタッドA2とA4ステンレス、亜鉛ニッケルまたはジンクフレークの強度区分8.8、タービン接合部は強度区分10.9架台は大量のリピート、タービンはプロジェクトロット架台は冷間圧造、大型スタッドは熱間鍛造と切削
医療・理化学機器蝶ねじ、段付きねじ、非インプラントの機器用ねじ、計測器用ファスナーA2とA4ステンレス、17-4 PH、チタン Grade 5、PEEK少量ロット。1,000個未満が多いCNC旋盤加工とスイス型
プラント・圧力機器フランジ用スタッド、六角重ナット、バルブや熱交換器のボルト締結ASTM A193 B7とB16、A320 L7、A194 2Hナット、B8Mステンレスプロジェクトロット。数百個から数千個全ねじ棒、または切削素材に転造ねじ

業界名より数量が重要

同じ業界の2社のバイヤーでも、必要なルートが正反対になることがあります。年間2,000本のホイールスタッドを発注する自動車アフターマーケットのブランドは、旋削と転造の工場に向いています。800,000本を発注する車両プログラムは、専用ダイスを持つ圧造機に向いています。業界からは、強度区分と書類が分かります。ルートが分かるのは、年間数量です。

そのため、見積依頼では年間数量と1回の納入ロットを別々に伺っています。月20,000個の納入スケジュールがあれば、20,000個を1回だけ発注する場合には見合わない金型投資も、正当化できます。

使用環境が材質を決める

屋内の機械用ボルトは、無処理か、りん酸塩処理と油で足ります。屋外の架台には、A2かA4のステンレス、または鋼のジンクフレークが必要です。沿岸部や洋上では、A4、二相ステンレス、ニッケル合金に移ります。ステンレスのファスナーとアルミのフレームを組み合わせる接合部では、分野を問わず異種金属接触腐食に注意が必要です。

強度区分の一覧表は、材質のページにあります。

各分野が求める書類

書類には時間と費用がかかり、それをまだ作っていないメーカーは、習得の費用を部品の価格に上乗せします。必要な書類をすべて見積依頼に記載いただければ、その対応に慣れたメーカーをご紹介します。

特注ファスナー見積依頼のチェックリストに、記入すべき項目を挙げています。

  • 自動車お客様が定めるレベルの生産部品承認プロセス (PPAP) の書類、コントロールプラン、ロットトレーサビリティ。すでに自動車向けに供給している工場は、これを標準で行います。
  • 圧力機器EN 10204 type 3.1の材料証明書、各スタッドへのヒート番号の刻印、ロットごとの硬さと引張の結果、A320系の衝撃試験。
  • 構造ミルシート、亜鉛めっきの膜厚、ロットごとの保証荷重試験または引張試験、アンカーボルトに規格が求める刻印。
  • 医療・理化学棒材までさかのぼるロットトレーサビリティ、材料証明書、寸法検査報告書、品質システムが必要とする洗浄または不動態化の記録。規制上の承認は、機器の所有者が担います。
  • 電子機器真ちゅうの鉛含有量などの規制物質に関する宣言書と、小ねじのめっき膜厚報告書。

分野別ガイド

これらの分野のバイヤーから特に多く依頼される特殊品について、詳しく解説します。

冷間圧造から旋盤加工まで、各ルートの仕組みは、ファスナーの製造工程をご覧ください。

業界のご質問

図面はお手元にありますか。強度区分と年間数量を添えてお送りいただければ、24営業時間以内に、条件に合う最大3社をご連絡します。

業界によって、見積りを出すべき工場が変わるのはなぜですか。

数量、強度区分、書類が変わるためです。多ステーション圧造機で自動車の数量に対応する工場は、医療用の段付きねじ300個には不向きで、旋削の工場は、フランジボルト200万個には不向きです。まずルートと数量でマッチングし、その後に必要な書類で絞り込みます。

PPAPや圧力機器の案件に合う工場を紹介してもらえますか。

PPAPのレベルや圧力機器の規格を、見積依頼に記載してください。その書類をすでに提出していると明言するメーカーにのみ、お渡しします。部品と工場の承認は、お客様とお客様の取引先の判断となります。

航空宇宙用のファスナーは扱っていますか。

図面と仕様書をお送りください。航空宇宙用ファスナーの多くは、承認された調達先と特定の工程承認を必要とします。それらの要件に合うメーカーが見つからない場合は、見積依頼を回さず、その旨をはっきりお伝えします。

分野に特化した表面処理は、必ず必要ですか。

いいえ。表面処理を決めるのは、業界の区分ではなく、使用環境です。屋内の機械用ボルトは、りん酸塩処理と油だけで足りる場合がありますが、同じ部品を屋外の太陽光架台に使うなら、ステンレスかジンクフレークの処理が必要です。